kdnakt blog

hello there.

今週気になったTLS関連のニュース #184

2024年12月2日~2024年12月8日に読んだ中で気になったニュースとメモ書きです。

[Let's EncryptのOCSP停止計画]

こちらの記事から。

letsencrypt.org

Let's Encryptが2025年OCSPやめるとのこと。

2024年7月にLet's Encryptが将来的なOCSP廃止を宣言し、その条件としてMicrosoftのルートプログラムでOCSP必須となっているのが緩和され次第実行する、としていた。

kdnakt.hatenablog.com

そして、2024年11月にMicrosoftOCSPを任意としたことに伴い、今回の発表にいたる。

kdnakt.hatenablog.com

2025年1月30日からOCSP Must Stapleリクエストを過去に実行していないアカウントでは失敗させる、2025年5月7日以降OCSP URLを証明書に含めない、2025年8月6日にOCSPレスポンダを停止する、というスケジュールの模様。

意外と急だな...。

[その他のニュース]

Android Chromeのハイブリッド耐量子鍵交換

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

radar.cloudflare.com

2024年12月5日以降MLKEM版のハイブリッド耐量子鍵交換がAndroid OSのGoogle Chromeで動作している模様。Kyber版はパフォーマンスに問題があると言って、2025年4月にデスクトップのChromeでKyber版がデフォルト有効化された際にもAndroidでは見送られていた。

NISTのML-KEMの標準化で何かが変わったんだろうか...?

こちらのツイートによると、Android 15ではBoringSSLが使われており、耐量子暗号通信に利用されているとのこと。

▼smtps > starttls 

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

zenn.dev

まあ平文使うの良くないよね...という程度の認識しかなかったので、具体的に色々書かれていて助かる。

脆弱性はこっちにまとめられているとのこと。クレデンシャル奪取、レスポンスインジェクション、コマンドインジェクション、情報漏洩、暗号化回避、証明書検証ミス...果ては、暗号化されているという表示のみで平文のまま、などなど。

nostarttls.secvuln.info

▼政府運営CAの矛盾

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

unmitigatedrisk.com

過去の例として、DigiNotar(2011)、TURKTRUST(2013)、CNNIC(2015)、カザフスタン政府CA(2019)、ICP-Brasil(2024)などが挙げられている。最初の3つはプロフェッショナルTLS&PKI 改題第2版にも取り上げられていたはず。

ICP-Brasilの件は初耳だが、上記ブログ内で詳しく取り上げられている。8月に証明書発行を停止すると発表したのに何故か11月にgoogle.comの証明書を発行していたらしい。何やってるんだろう...?監視としてCTが役に立ってはいるものの、事後的である点に課題があり、ルートプログラムがとるべき対策が指摘されている。

▼ひとくちPKI 71

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

creators.spotify.com

トピックとしてはFirefox CT必須化、.mobiドメインのハイジャック、などなど。

[おわりに]

年内は12/30まで更新予定です。