He never gets respect.
"St. Anger" by Metallica
[なぜ読もうと思ったか]
口が悪い、言葉が荒いと言われることがよくある。
心当たりはいくらでもある。
怒りの感情が持続的であり、他人に向かうことがよくある。それが生産的でないと頭では理解しているものの、やめられないでいる。
いつまでもおんなじことを言われ続けるのも芸がないな、と思っていたところ本書に出会った。
目次は以下の通り。
第1章 これからの仕事の必須スキル「アンガーマネジメント」
第2章 アンガーマネジメントの基礎理論
第3章 職場の「突然の怒り」に対処する技術
第4章 「怒りの耐性」を高くする技術
第5章 仕事でも角が立たない!上手な「怒りの伝え方」
第6章 タイプ別・特徴別「他人の怒りの対処法」
第7章 怒りを「明日への活力」に変える方法
[読んで何が分かったか]
まず第一に、アンガーマネジメントは怒らない方法ではなく、ちょっとしたコツによって、怒りに繋がる衝動・思考・行動をコントロールする技術だということ。
本書を読む前から、アンガーマネジメントのテクニックとして「怒りを感じたら6秒待つ」というのはどこかで聞いたことがあった。これまでに何度か意識的に6秒ただ待つだけのことはしてみたものの、これはあまり効果がなかった。むしろ、ただ6秒間待つだけだと、怒りの原因となる事象・人物に関する思考が深められていくだけで、反対に怒りが増幅することが多かった。
本書では、6秒間待って怒りの衝動を落ち着けるための具体的なテクニックが紹介されていた。例えば以下のようなものがある。
- スケールテクニック:怒りを点数づけ
- コーピングマントラ:落ち着かせる言葉、「そんなこともあるか」
- カウントバック:100から3ずつ引き算
- ストップシンキング:頭の中を真っ白にする
- グラウンディング:今ここにあるモノの形、色、材質など細かく観察する
こうしたテクニックを活用して、他のことに意識を向け、冷静さを取り戻す必要があると感じた。
本書では、上記のような怒りの衝動に対するテクニック以外にも、日常的に思考をコントロールするためのテクニックとして、以下のような手法が紹介されていた。
- 5分間利き手変更マインドフルネス:思考の幅を意識的に狭める
- サクセスログ:自己肯定し怒りの感情の原因となる第一次感情を持ちにくくする
- ポジティブモーメント:成功体験を思い出しイライラをなくす
- アンガーログ:傾向やパターンを理解する
- べきログ:怒りの原因となるコアビリーフ(〜すべき)を理解する
- 24時間アクトカーム:穏やかに振る舞ってみる
怒り自体は生存に必要な感情だが、感情のままに行動するのではなく、相手に対するリクエストを伝えることを忘れてはいけない。
- リクエストを明確にする
- 怒る基準に納得度をもたせる
- 穏やかな表現を用いる
[今後どう活かすか]
自分の場合、怒る際のリクエストは比較的明確にしているつもりだし、基準にもそれほどブレはないと感じている。であれば、やはり表現の問題なのだろうと思う。
「口が悪い」、「言葉が荒い」という他者からの言葉の通りだ。
なので、「スケールテクニック」や「カウントバック」をうまく利用して6秒間待ち、いったん冷静になった上で相手に自分のリクエストを通すために伝わる表現を探すようにしたい。