2024年2月19日~2024年2月25日に読んだ中で気になったニュースとメモ書きです。社内勉強会TLSらじお第145回分。
[iMessageの耐量子暗号プロトコルPQ3]
こちらのツイートから。
AppleのiMessageが対量子暗号プロトコルPQ3の採用を発表。iOS 17.4, iPadOS 17.4, macOS 14.4, watchOS 10.4けらの対応。 https://t.co/1VgLYsc3Nl
— kokumօtօ (@__kokumoto) 2024年2月21日
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日本語の記事も出ていた。
メッセージアプリSignalの採用したPQXDHというハイブリッド暗号よりも、周期的な鍵の生成メカニズムが組み込まれている点で高機能とのこと。TLS1.3の鍵スケジュール的なやつだろうか。TLS1.3の場合、スケジュールの周期はRFCでは書かれておらずクライアントに委ねられているけれど、PQ3では約50メッセージごとまたは少なくとも7日に1回と明示されていた。
Kyber(ML-KEM)と楕円曲線DHをハイブリッドにする部分は同じっぽい。
MLSとかも分かってないとダメかなあ...。
ハードウェア命令とかも分かってないとこの辺りの理解が難しい...。
PQ3はKyberでECDHとのhybrid...だけどKyberの重さを減らすためにややこしいことをやっているようだ。ECDHは25519ではなくてNIST P256。ハードウェアが使えるからとかそんな理由だろうか。
— Tomoyuki Sahara (@tomosann) 2024年2月22日
[その他のニュース]
▼KeyTrap検証
こちらのツイートから。
「これまでに発見されたDNSに対する最悪の攻撃」というキャッチーな謳い文句が先行しないようにKeyTrapについて書いておいたhttps://t.co/XewIhW49JR
— 中東いくべぇ (@knqyf263) 2024年2月19日
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ChatGPTを活用して検証環境をサクッと作っていてすごい。
▼PKCS #1 RSA実装ガイダンス(ドラフト)
こちらのツイートから。
みんな大好き、PKCS#1に関するI-Dがあるんですが、IRTF CFRGで 3週間のAdaption Call が開始されたよっ!
— 菅野 哲 / GMOイエラエ 取締役CTO (@satorukanno) 2024年2月19日
実装時に注意すべき点なども書かれているけど、非推奨アルゴリズムについての節があるので見ておくとよいかと〜✨
Implementation Guidance for the PKCS #1 RSA Cryptography Specification,… pic.twitter.com/9j96G81m70
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RFC 8017で出ているPKCS #1 v2.2の実装ガイドのドラフト。元々TLS1.2で使われていたPFSのない暗号方式であるRSAES-PKCS-v1_5を非推奨化する話も上がっている。
▼AWS IoT CoreのOCSP Staplingサポート
こちらの記事から。
CloudFrontは随分前に対応してるみたい。
一方、ALBではできないという記事がある...軽く探してもできるようになったという記事は見つからなかった。はて。
▼HTTPSレコード解説
2023年11月、HTTPSレコードがRFC9460として標準化されました。
— IIJ_ITS (@IIJ_ITS) 2024年2月22日
HTTP/3を支える技術のひとつで、WebサーバのDNSへの登録方法も変わります。
CNAME + MX + α の機能も備えています。
DNS / Web / ファイアウォール運用者はぜひご覧ください。https://t.co/7OGPUya9Uw#HTTPSレコード #DNS #RFC
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未知のDNSレコードは怪しいということで、ファイアウォールでHTTPSレコードがドロップされることもあるらしい。なるほど。
おまけのところで権威サーバの新機能を安全に伝達する仕組みとしてDELEGレコードという新しいレコードのドラフトも紹介されていた。DoTで使うっぽいけど、どうやるんだろう...。
▼DKIMのRSA1024ビット鍵
こちらのツイートから。
メール配信サービスの会社さん、RSAの1024bit鍵は非推奨ですから、せめて2048bitに変えましょう。
— Yoichiro Takehora (竹洞 陽一郎) | 株式会社Spelldata (@takehora) 2024年2月22日
DKIM突破されまくってますよ。
1024bit RSA DKIM が突破されまくりって、ソース知りたいなぁ。
— Shirouzu Hiroaki(白水啓章) (@shirouzu) 2024年2月22日
10~20年前に 768bit RSAが破られた記憶あるけど、とはいえ 768bit → 1024bit、つまり2^256倍のマシン性能って、クラウド集めても厳しくないかしらん…?
(あとDKIM破る程度だと、電気代/マシン代がとても見合わない気が) https://t.co/T9vg9eNgYz
Okuさんから示唆頂き、もう少し調べてみる。
— Shirouzu Hiroaki(白水啓章) (@shirouzu) 2024年2月23日
2010年にRSA 768bit解読、数百台のマシンで半年~2年の計算量と。https://t.co/AHnLvDUYFI
数体ふるい法での強度評価では768=約70bit、1024=80bit、計算量の差は2^10=約1000倍。
(2^256はオーダー感全然違っていた…)https://t.co/StTiMzzV9X
RSA 1024bitだと、15年前に比べて 100倍のマシンパワー(まだ無さそ?)を持つ数千~数万台のマシンを半年以上使えば、解けるかレベルかな?
— Shirouzu Hiroaki(白水啓章) (@shirouzu) 2024年2月23日
(そんな膨大リソース使って、わずか1ドメインのDKIM署名を偽造するとか、元が取れるとは思えず…(笑))
1024bit RSAを解くと1500万円の賞金がもらえます https://t.co/ohhpWVwR9P https://t.co/PSgbLoHX33
— Kazuho Oku (@kazuho) 2024年2月22日
流石にこれはなさそうかなあ...。とはいえ2048ビットのRSAは2030年で終わりにしろって言われてるし、強めのものを選択しておくのがよさそう。
▼Mozilla Root Programのオーナー変更
こちらのツイートから。
Kathleen Wilson, who has been at the helm of the Mozilla Root Program for the last 16 years, has announced her retirement. #WebPKI https://t.co/dgycuj5Lcr
— Ryan Hurst (@rmhrisk) 2024年2月22日
For more on her journey in the Root Program see https://t.co/ul8avcaJ2y
— Ryan Hurst (@rmhrisk) 2024年2月22日
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16年運営されたKathleenさんが引退されるとのこと。当初は数年でルートストアが時代遅れになると思っていたらしい。
CCADBはMozillaを離れてLinux Foundationに移管される予定とも書かれている。
▼GREASE in the DNS
こちらのツイートから。
Greasing Protocol Extension Points in the DNShttps://t.co/C87rReymsm
— ゆき (@flano_yuki) 2024年2月23日
DNSもGreasingのdraft出た。
(将来の拡張性を維持するために、未知のタイプが正しく無視されることを確認するやつ)
DNSはocificationすごそう#yuki_id
『DNSプロトコルの拡張性を担保するGreasingの提案』https://t.co/AJwpS2S7NH
— ゆき (@flano_yuki) 2024年2月24日
ブログ書いた#asnokaze
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HTTPSレコードとかDELEGレコードとか、どんどん新しいの出てるので、硬直化を防ぐ意味でこういうのが必要なのかもしれない。
▼wolfSSLの0.5-RTTサポート
こちらのツイートから。
ブログポストしました: 0.5-RTTデータを(D)TLS1.3でサポート: 少し前のブログ(DTLSでの0-RTTデータのサポート)でクライアントが送信するアーリーデータについてご紹介し…続きを読む
— wolfSSL Japan (@wolfSSL_Japan) 2024年2月13日
The post 0.5-RTTデータを(D)TLS1.3でサポート… https://t.co/c3ks8Ok3oX #組み込み #C言語 #プログラミング
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何か特別なやつ?と思ったけど、普通にRFC 8446(TLS1.3)で図示されているやつっぽい。オプショナルなものだとは書かれていたけど、意外とサポートされていない機能なのかも?他のライブラリがどうなっているか気になる。
[暗認本:44 無線LAN]
『暗号と認証のしくみと理論がこれ1冊でしっかりわかる教科書』より、Chapter 8 ネットワークセキュリティのセクション44をまとめた。
- 無線LANの概要
- スプーフィングと認証解除攻撃
- WEP: Wired Equivalent Privacy
- WPA2: Wi-Fi Protected Access 2
- KRACK: Key Reinstallation AttaCKs
- WPA3
[まとめ]
古いOS、ブラウザだとTLSのエラーが出てTwitter見れないらしい。それはそう。
Windows XPでTwitter表示できんかった・・・ pic.twitter.com/L0LfcIAZH2
— きしだൠ(K1S) (@kis) 2024年2月24日