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今週気になったTLS関連のニュース #153

2024年4月15日~2024年4月21日に読んだ中で気になったニュースとメモ書きです。社内勉強会TLSらじお第153回分。

[PQCロック機能の提案]

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

educatedguesswork.org

PQ証明書に関する話。HTTP Strict Transport Security(HSTS)的なイメージで、金融機関などのPQ証明書を使用する特定のサイトで、PQ証明書の利用をクライアントに記憶させることでセキュリティの向上を図るのはどうか、というアイデア
TLS上の通信としては大半がHTTPだろうからアリなんだろうか。

TLS1.2向けに耐量子暗号のサポートを追加するのはどうか、という提案も同記事に書かれている。IETF的にはTLS1.2 is in Feature Freezeの議論が行われているので、多分その方向はない気がする。

asnokaze.hatenablog.com

こちらのドラフトは2024年4月3日に新しいバージョンが提出されてWG ドラフトになったが、耐量子暗号がTLS1.2でサポートされないという点に変更はなさそう。

datatracker.ietf.org

同じ著者のTLS1.3必須の件もWGドラフトになったとのこと。

[その他のニュース]

▼New Lattice Cryptanalytic Technique

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

www.schneier.com

先週のQuantum Algorithms for Lattice Problems論文に関するBruce Schneier氏のブログ記事。4/20に論文が撤回され、重大な誤りがあることがわかった。そう簡単には破れないか...一安心。

SSL/TLS実践入門発売予定

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

gihyo.jp

2024年4月25日に『SSL/TLS実践入門』という本が出るらしい。個人的には拡張マスターシークレットの話とSP800-130と鍵管理ガイドラインPKCS、OpenSSLによるSSL/TLSプログラミング入門あたりが気になるところ。とりあえずKindle版予約した。

PuTTYのECDSA脆弱性 (CVE-2024-31497)

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

forest.watch.impress.co.jp

ECDSAで秘密鍵を利用する際のnonceがランダムでないため、署名を60件集めると秘密鍵を算出できる脆弱性があったとのこと。自分もSSH用の鍵はEd25519だから大丈夫、かなあ...。実装の問題ではあるようだけど、でかい鍵の方が問題ってのは珍しいかも?

▼conventionalcommits.orgの証明書エラー

www.conventionalcommits.org

こちらのサイトに2024年4月18日0時過ぎにアクセスしたところ、証明書エラーが。

2024年4月21日時点では、2024年4月20日3時10分発行の証明書が設定されているので、数日この状態だったのだろうか。復旧して良かった。

▼24年4月の量子コンピュータ業界

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

blueqat.com

全然理解できてなかったけど、一口に量子コンピュータといってもいろいろ種類があるようで...。

www.hpcwire.com

ロードマップ上では、2026年に1万個以上の物理量子ビットを備えたコンピュータを開発予定、という感じ?

togetter.com

関係者の反応はこんな感じっぽい。

量子エラー訂正ができるようになって古典的なコンピュータでは不可能な計算ができるようになるとすると、暗号関連は色々影響を受けそう。2048ビットのRSA早くやめないとな...。

▼DES/3DES illustrated

こちらのツイートから。

リンク先はこちら。

hereket.com

もうあまり使うことはないと思うけど、何かの参考に...。

[おわりに]

技術書典16の準備が全然進んでない...GWに期待(できるか?)。