2024年2月12日~2024年2月18日に読んだ中で気になったニュースとメモ書きです。社内勉強会TLSらじお第144回分。
[DNSSECの脆弱性KeyTrap]
こちらのツイートから。
インターネットの大部分を麻痺させることが可能だったDNSSECの設計上の重大な脆弱性"KeyTrap" (CVE-2023-50387)について。DNSSECを検証するDNSリゾルバーが脆弱で、Webクライアントの31%が影響を受けるとの指摘。根本的には設計思想の問題。 https://t.co/DlOWPLBDhJ…
— kokumօtօ (@__kokumoto) 2024年2月15日
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悪用された形跡はないが、20年ものの脆弱性とのこと。
証明書を発行可能なCAを指定するCAAレコードも、DNSSECと併用すると良いと言われていた。基本的に設計の問題で、全てのDNSSEC検証の実装に問題があると言われているので、悪用されていた場合TLSにも影響があった可能性がある。
[Merkle Tree証明書の実装]
こちらのツイートから。
Google勢からIETFに提案出てた『Merkle Tree Certificates for TLS』の実装だ https://t.co/HAkxWL1sJM
— ゆき (@flano_yuki) 2024年2月13日
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Merkle Tree証明書はX.509証明書とCT(Certificate Transparency、証明書の透明性)の機能を併せ持つ新しい証明書。現在ドラフトの提案からもうすぐ1年になる。
これをGoで実装したmtcコマンドのリポジトリということらしい。CAを作成して、証明書を発行したり検証したりできるとのこと。
Chromeとかで既にMerkle Tree証明書の検証とか実装されてたりするんだろうか...?
[その他のニュース]
▼Web PKIマーケットシェア(2024年2月)
こちらのツイートから。
It has been a while since I published a market share update for the WebPKI. It is no surprise but we still see a continued trend of issuance moving from legacy CAs who are not "ACME forward" to those that are. pic.twitter.com/bEE3MEOYXp
— Ryan Hurst (@rmhrisk) 2024年2月14日
やはりACMEをサポートしているCAへの以降が進んでいるとのこと。
▼Node.jsのセキュリティアップデート(2024年2月)
こちらのツイートから。
Node.jsのセキュリティアップデートしてNode.js 20.x, 18.x, 21.xがそれぞれ更新されている。
— azu (@azu_re) 2024年2月15日
OpenSSLの更新、Linuxのcapabilitiesに関するバグの修正、細工したHTTPリクエストでのDosに関する問題、パーミッションモデルの問題の修正など "Node.js — Wednesday Februar…" https://t.co/HtOmQRP67k
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OpenSSLのアップデートも気になるけど、最新のパディングオラクル攻撃の一種であるMarvin Attackが、TLSサーバだけでなくJson Web Encryptionメッセージにも影響があるという話が気になった。
▼AWS API GatewayのTLS1.3サポート
こちらのツイートから。
API Gateway now supports TLS 1.3
— What's New on AWS (Unofficial) (@awswhatsnew) 2024年2月15日
API Gateway now supports version 1.3 of the Transport Layer Security (TLS) protocol on its Regional REST, HTTP, and WebSocket endpoints. TLS 1.3 on API Gateway works by of... https://t.co/U43rYA7Rpm
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ALBに遅れること11ヶ月、API GatewayもようやくTLS1.3をサポートした。既存のAPI Gatewayで接続確認をしたら、TLS1.3が有効になっていた。素敵。ただ、プライベートAPIではまだTLS1.3はサポートされてなさそうなので注意。
▼耐量子暗号アライアンス
こちらの記事から。
GitHubのOrganizationもあるらしい。
▼ChatGPT + RFC
こちらのツイートから。
神機能を実現してる。 https://t.co/Mold6Xh58i
— V (@voluntas) 2024年2月16日
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これは便利...。
タイトル検索は英小文字じゃないと動作しなかったので注意。
▼Let's Encryptのデイリー証明書発行数(2024年2月)
こちらのツイートから。
"Scaling certificate issuance is impossible."
— Let's Encrypt (@letsencrypt) 2024年2月16日
Let's Encrypt: 😎 pic.twitter.com/CLnJrycG0A
2023年の年次レポートでは1日350万件程度という話だったのに、いつの間にか1日450万件に到達しそうな勢い。すごい。
▼Goでオレオレ証明書
こちらのツイートから。
$(go env GOROOT)/src/crypto/tls/generate_cert.go へー。いいね。おぼえておく。 / “https://t.co/pbMbqWjUNn - Goでオレオレ証明書がほしいときの一手” https://t.co/3PZDCZjii2
— matsuu@充電期間 (@matsuu) 2024年2月17日
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こんなやり方があったんですね。
▼HPKEの応用動向
こちらのツイートから。
『IETFアップデート – 第118回IETF [第3弾] ハイブリッド公開鍵暗号スキーム HPKE とその応用技術の動向』https://t.co/CgU1dF8inC
— ゆき (@flano_yuki) 2024年2月18日
あじとみせんせいだ!
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KEM、KDF、AEADの組み合わせはTLSと同じだけど、それをより汎用的にした形なのがHPKE。OAuth2.0などで利用されるJSON Web TokenやJSON Web Encryptionなどの仕様をまとめたフレームワークであるJOSE(JSON Object Signing and Encryption)でもHPKEの利用が提案されているらしい。
[暗認本:43 HTTP/3]
『暗号と認証のしくみと理論がこれ1冊でしっかりわかる教科書』より、Chapter 8 ネットワークセキュリティのセクション43をまとめた。
- HTTP/2
- QUIC
- HTTP/3
[まとめ]
相変わらずわからないことだらけなので、一度じっくり調べる時間をとりたいなあ。